コラム

介護業界の転職で必ず聞かれる!転職理由の上手な答え方

介護業界への転職を決めて、いざ面接!となったとき、
「どんな質問をされるのだろう?」と考えたことがある方は多いでしょう。


介護業界に関わらず、
面接官からよく聞かれる質問として【転職理由】があります。

その受け答えによっては合否に影響することも多いです。

今回は、介護業界の転職で面接の際に必ず聞かれる転職理由と
上手な答え方についてご紹介させていただきます。

なぜ面接で転職理由を聞くのか?

転職理由はなぜ聞かれるのか?
面接官は何を見ているのか?
転職理由を確認する意図は、大きく3つに分けられています。


【1】 仕事に対する考え方・働く熱意を確認するため

実務経験やスキルは履歴書を通じて確認することはできますが、
仕事に対する考え方や働く熱意は履歴書だけではわからないものです。

転職理由を聞くことで

・仕事に対しての意欲、どんな介護観を持っている人なのか
・モチベーションを維持して勤務してくれる人なのか
・今後の将来像・目標を持って働くことができる人なのか

面接官はこのような質問を投げかけることで、いかなる転職理由があっても
それを上回るような成長意欲や向上心があるかどうかチェックしています。


【2】 同じ理由で退職をする可能性があるか適正を知るため

前職の勤務期間が短い場合は「すぐに辞めてしまうのでは?」
と面接官が少し慎重になってしまう傾向があります。

どんな理由でも退職をした経歴がある以上は、
避けて通れない質問ではありますが、
会社としては新たな戦力になるスタッフには
出来るだけ長く働いて活躍してほしいと思っています。

同じような理由で早期退職をしないかなど退職理由を確認することで、
自社の社風と合うか適正を見極めるためにこのような質問をします。


【3】 人間性や性格を知るため

スタッフ同士・利用者様と常に接する介護業界。

スキルや経験も大切ですが、それ以上に介護業界は
スタッフの人間性や性格も重要視していることが多いです。

・他者との協調性が取れる人なのか
・責任をもって業務に取り組んでくれる人なのか
・前職での退職理由がマイナスなことでも、
 それを改善して働いてくれる人なのか
・誰かのせいにする他責が強くないか

そんな人間性や性格について知るために欠かせない質問です。

介護業界の転職で必ず聞かれる転職理由

【1】 前職を退職した理由

・NG回答

チームワークが取れず人間関係が最悪でした。
⇒そのまま伝えてしまうのは印象が悪くなりやすいので良くありません…。

・回答例

前職は小規模のユニットケアということもあり、個々で仕事をすることが多く、
社員同士の繋がりが希薄になりがちでした。

自主性やスキル向上を高めることは出来ましたが、
介護職で大切なことはチームの連携だと思っております。

社員同士の連携や協調性が
利用者様への質の高いサービスへ繋がると考えており、
そのためには自分自身のスキルアップが必要だと感じ、
転職を決意いたしました。


【2】 この会社を選んだ理由

・NG回答

経験者は給料が高いから
⇒この理由が決め手である人も多いですが、
キャリアアップという言い方を添えると良いでしょう。

・回答例

新卒入社で特別養護老人ホームに入社し、
3年間介護業務に携わってきました。

前社は重介護の入居者様が多く、
介護度の高い入居者様への介護技術を身に付けることができたのは
一番の強みだと思っております。

御社のホームページを拝見させていただき、
積極的に介護度が高い入居者様を受け入れられ、
施設全体で介護技術の向上に取り組まれていることに深く感銘を受けました。

これまでの経験を活かしながらキャリアアップできると感じ、
御社を志望させていただきました。


【3】 介護職に関するエピソード、介護観

・NG回答

特にありません、でも家族に祖父がいます
⇒介護職に携わったことがない人でもエピソードが全くないというのは
熱意がないと捉えられてしまうので、必ずエピソードを用意しておきましょう。

また、経験者の方は介護観についてまとめてみることをオススメします。

・回答例

私は小さいころから祖父母と一緒に過ごすことが多く、お年寄りが大好きです。

昨年から祖父がデイサービスを利用するようになり、
介護の仕事への興味を持つようになりました。

デイサービスに行った時のことを嬉しそうに話す祖父の姿がとても印象深く、
職員の方の手厚いサポートに大変感激をして、
私自身もお年寄りの役に立ちたいと感じて介護職を志そうと思いました。


【4】 目標や将来像について

・NG回答

経験がないのでまだわかりません、とりあえず経験してみたい
⇒未経験の方ですと入社後の目標や将来像は、
なかなか掴めない部分もありますが、
大きなことでなくても良いので、できるだけ明確な目標を示すことが必要です。

・回答例

未経験でのスタートなのでわからないことばかりではありますが、
御社には経験や実績がある職員の方がたくさんいらっしゃるので、
先輩方のお力を借りながら日々成長していきたいと思っております。

ゆくゆくは介護福祉士を取得し、
御社や利用者様に還元できるよう精一杯頑張っていきたいです。


【5】 いつから働けるか?夜勤は可能か?

・NG回答

まだわかりません。来月ぐらいなら大丈夫かもしれません。
⇒いつから働けるかわからないとなると、
入社意欲がないのでは?と思われてしまいます。

勤務開始日は、あらかじめ決めておきましょう。

お互い無理な予定を組むとトラブルが発生しやすいので、
余裕をもって伝えることが必要です。

・回答例

〇月〇日までは退職手続きがあるので、
遅くても〇月〇日以降は勤務可能です。


【6】 何か質問はありますか

・NG回答

御社の経営理念は何ですか?有給はいつから取れますか?
⇒経営理念などはホームページなどでも確認できることなので、
準備不足がバレてしまうかもしれません。

また、有給などの待遇に関する質問は、
できるだけ貢献できるという柔軟さを伝えつつ、
聞いてみるといいかもしれません。

・回答例

前職では家庭の都合で、年に2日ほど有給をいただいておりました。

御社の求人では「有給制度あり」とありましたが、
このような理由でも有給を使うことは可能でしょうか?

転職理由を上手に答えるポイント

ポイント① ネガティブな内容はポジティブへ繋げる

「更なるスキルアップのため」
「新しい業種に挑戦した」
など前向きな転職理由もあれば、

「経験を活かせるフィールドがなかった」
「熱意はあるのに人間関係が劣悪だった」
「努力を過小評価されてモチベーション低下に繋がってしまった」
などの理由で転職を決意されたケースも多いですよね。

しかし、ネガティブな転職理由を本音で話しすぎてしまうと
面接官からのイメージも悪くなり、転職のチャンスも逃してしまうことも。

ネガティブな転職理由はポジティブに変換して伝えることで、
面接官からの印象がガラリと変わり、採用率も上がります!


・給料が低かった、給料が上がらない
⇒努力やスキルを正当に評価してくれる会社で働いてキャリアアップしたい

・人間関係が辛かった、不満があった
⇒周囲との連携を深めながら、チームワークを大切にしていきたい

・残業が多かった、有給が取れなかった
⇒より集中できる環境の中で仕事に取り組み、新しい環境でチャレンジしたい

いかがでしょうか?

少し変えてみるだけでこんなにも印象が変わります。

介護業界をよく知る面接官は、
ポジティブな理由ばかりではないことも重々理解しているので、
コミュニケーション能力なども評価されやすい面接では、
できるだけポジティブな言い方ができるように準備をしておくことが大切です。


ポイント② 嘘は厳禁!時には言わないことも必要

自分を良く見せようとする気持ちは誰しもあるはず。
これは全く悪いことではありません。

しかし、履歴書に書いた内容と話していることに一貫性がない
なんていう人も一定数いますが、嘘は必ず見破られてしまいます。

例えば、人間関係を理由に転職をされた場合、
どんなに言い方を変えても初めて会う面接官からすると、
不平不満や他責傾向があると捉えられてしまうリスクがあります。

そうなってしまっては、合否に影響を及ぼす可能性も否めないので、
このような場合は正直に話さないことも必要ですね。


ポイント③ 転職理由と志望動機は一貫性を持つ

面接に落ちてしまった人の中には転職理由には良いことを書いているのに、
志望動機があやふやで説得力に欠けてしまっているケースも実は多いです。

「なぜ前職を辞めて転職をするのか」
「どうしてこの会社を志望したのか」
この2点をしっかりとまとめておくことが、採用されるカギとなります!

具体的なエピソードなどいくつか用意をしておくと、
イメージがしやすいかもしれません。


《転職理由と志望動機》同業他社への転職の場合

夜勤が辛い、体力面での心配があるため
身体介護が少ない訪問介護を選択した

(転職理由)

前職では長きにわたり特別養護老人ホームで
身体介護や生活援助など多くの業務に携わってまいりました。

介護の本質を考えていくうちに、
在宅こそ本来あるべき介護のかたちだと思うようになりました。

訪問介護を学びたいという想いが強くなり、

(志望動機)

研修制度が充実している御社への転職を決意いたしました。

住み慣れた家や街で利用者様が自分らしく過ごせるように、
自分自身の強みである介護技術を活かしながら
質の高いサービスを提供できるように尽力していきたいと思います。


こちらはあくまで一例ではありますが、
転職理由と志望動機をしっかり結びつけることでエピソードが具体的になり、
面接官も「入社したら活躍してくれそう」
というビジョンをイメージすることができます。


ポイント④ この会社で働きたい!その熱意を丁寧に伝える

誰もが面接を受けるときは採用されたいという想いが強くなるものですが、
熱意を伝えたいという気持ちが先行しすぎてしまうと
緊張や焦りで思わぬ失敗をしてしまうことも。

そうしたことから基本的な会話(話し方)やマナーが欠けてしまい、
不採用に至ってしまったという経験談も聞いたことがあります。

あなたの大切なヤル気や意欲がしっかりと面接官に伝えられるように、
事前に準備をしていきましょう。

事前に準備をすることで、
面接官にも本気度が伝わり好印象を与えることが出来ます!

転職理由について何か色々と聞かれるのではないか…
と不安な気持ちもあると思いますが、
落ち着いて丁寧にあなたの気持ちを表現することが一番大切です。

まとめ

今回は、介護業界の転職で面接の際に必ず聞かれる転職理由と
上手な答え方について紹介してきましたが、いかがでしたか?

これから面接を控えている方の参考になっていれば幸いです。

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