コラム

介護業界の転職活動でダメな転職理由

人それぞれ転職するには理由がつきものだと思いますが、
採用率が高いと言われている介護業界でも
採用に至らない結果になってしまう人もいます。

どれだけ能力が高く実績や経験がある人でも、
不採用になってしまうのには何かしら原因があることが多いです。

その中でも「ダメな転職理由」が原因で、
転職活動が上手くいかないケースが実は少なくありません。

今回は「介護業界の転職でダメな転職理由」について
解説していきたいと思います。

「転職理由」を聞く理由は?

【理由その1】 介護への熱意・覚悟はどれだけあるか?

スキルや経歴は職務経歴書を見ればすぐわかりますが、
応募者の根底にある働く気持ちは書類からでは伝わりません。

面接官は応募者が介護職に対して、
どのような価値観や目標を持っているのか
転職理由からわかることも多いと考えています。

なぜ前職を辞めて自社に応募してくれたのか理由を知ることで、
「仕事に対しての意欲や熱意がどれだけあるか」
「モチベーションを保ち仕事を取り組めるか」
「今後の目標を持っているか」など着目しています。


【理由その2】 自社で長く働いてくれるか?

人手不足の職場も多い介護職、
会社としては1日でも長く働いてほしいと考えています。

一度転職経験があると、
それがどんな理由でも一度会社を辞めた事実は変わらないので、
前職の退職理由と同様の理由で早期退職をしないか
見極めをする面接官は多いです。

会社は人材コストにかけるお金や時間を割く必要があるので、
このようなリスクを回避するためにも慎重になる会社も少なくありません。


【理由その3】 どんな人物像なのか?

短時間の面接では応募者の人物像を全て判断することは不可能ですが、
介護者と利用者様の距離感が近い介護職は人柄や性格も重要視されます。

そして、どんなに素晴らしい人物でも
会社が求めてる職員像とかけ離れていると採用が難しくなってしまいます。

会社の理念や社風に合う人かどうか判断するためにも
転職理由を通じて判断する面接官も多いようです。

ダメな転職理由

ダメな転職理由① 「職場に嫌いな人がいたから」

(例)
「苦手なスタッフが多くて居心地が悪かったので、
新しい職場で働きたいと思いました」

人間関係を理由に退職・転職される人は多いですが、
その理由をストレートに面接で伝えてしまうのはあまり良くありません。

応募者がどんなに優れた才能や人格の持ち主だったとしても、
面接官と応募者は初対面なので
「また人間関係を理由に辞めてしまうのではないか?」
「何か問題を起こすような人かもしれない」
などの誤解や不安を与えてしまう可能性があります。


ダメな転職理由② 「給料が安すぎるから転職」

(例)
「前の職場は給料が安かったので、
給料が高い御社で働きたいと思いました」

待遇面は仕事を選ぶ上で重要なポイントですが、
待遇面での転職理由は注意が必要です。

「高待遇の求人が会ったら再び転職するかもしれない」
「給与体系だけに惹かれてきたのでは?」と受け取られて、
待遇だけに興味を持たれた印象があること、
自社にどれだけ貢献してくれる人なのかイメージが沸きにくく、
実際に不採用になってしまったケースも。

「自分の能力を公平に評価してくださる会社で、
これまでの経験を活かしたいと思った」
と前向きな姿勢であることを面接官に伝えると良いでしょう。


ダメな転職理由③ 「残業がない職場がいい」

(例)
「残業がない会社で働きたいから応募しました」

残業をせずに帰ることは理想であり、
誰しも残業をしなくてすむなら越したことはないですよね。

介護職の性質上、
普段の業務に加えて急変対応や記録の書類作成に追われることがあるため、残業が発生してしまうことがあります。

面接官もそのような職場があることは重々知っていますが、
これらも不満や要望だけを言ってしまうと印象は良くありません。

「しっかりとオンとオフのメリハリをつけて
良いサービスが提供できるような環境が御社には揃っていると思った」
というようなポジティブな言い換えをすると好印象です。


ダメな転職理由④ 「利用者様が苦手」

(例)
「前職の利用者様が苦手だったので、新しい環境を選びたいと思いました」

利用者様も職員も人間なので、合う合わないは必ずあります。

距離感が近い介護職ならではの悩みから転職される人も多いですよね。

利用者様は様々な病気や障害を抱えており、
中には問題行動を起こしてしまう利用者様も少なくありません。

その度に対応方法に悩んだ経験がある人も少なくないでしょう。

このような転職理由で応募される人も多いため、
環境を変えることが悪いわけではないのですが、
ストレートに伝えてしまうと
「また嫌な利用者様がいたら転職するのではないか?」
「他責傾向が強いのでは?」などと思われてしまうことも。

たとえ高齢や認知症であっても、
人生の大先輩であり尊意を持って対応すること、
その信頼関係を築くために歩み寄る姿勢があるかどうかも
面接官は判断しています。

同時に気持ちの切り替えも必要な職業ですので、
モチベーションを保てるかどうかを見極められてしまう内容でもあるので、
利用者様に関するネガティブな転職理由は避けるようにしましょう。


ダメな転職理由⑤ 「体調を崩して」

(例)
「体調を崩していたので休んでいましたが、
また介護をしたいと思い応募しました」

職業病とも言える腰痛や体調不良で休職される人は大勢いらっしゃるので、
特に珍しい話ではありません。

ただ、体調不良で休んでいたことを伝えるだけでは
「また悪化して辞めてしまうのではないか?」
「当日欠勤をしてしまうのではないか?」など採用を躊躇してしまうことも。

「体調不良で前職を退職したことで、
働けない辛さや健康の大切さを痛感しました。
それを糧にし、現在は業務に支障をきたすことなく、
体調管理に細心の注意を払いながら仕事に励みたいと思っております」
など業務には問題がないことを伝えると、
面接官も安心して任せられると感じます。

介護業界は腰痛への理解がある職場も多いので、
現在の体の状態+自分にできることを正直に伝えることも大切です。


ダメな転職理由⑥ 「自分の理想を実現したい」

(例)
「御社は研修制度が整っていないので、私が御社を変えたいと思いました」

自分の理想を持つことは大変素晴らしいことですが、度が過ぎると
「協調性がなく、自分勝手な人かもしれない」
「輪を乱す可能性があるのでは?」
と柔軟な対応ができない人だと警戒されてしまうかもしれません。

現実とはかけ離れた目標を押しつけてしまうと、
周囲の職員のモチベーション低下にも繋がり、
チームワークを乱す危険性があると認識される可能性もあるので
注意が必要です。


ダメな転職理由⑦ 「何となく介護職に興味があって」

(例)
「特にやりたいことはないですが、何となく介護に興味があったので」

「今すぐにでも働きたいから求人の多い介護職を選択した」
と言う人も一定数いるのですが、
初対面の面接官にそのまま伝えてしまっては
「責任感が感じられないからすぐに辞めてしまうだろう」
「介護職だから受かると思われている?」と不信感を抱かれてしまうでしょう。

確かに介護職は一般の仕事よりも採用率が高いですが、
やる気や興味が感じられない人に
利用者様の命に関わる大切な業務を任せられるとは思えないですよね。

まずは介護職について・応募する施設や事業所について
最低限のことを調べてから転職理由を考えることが先決です。


ダメな転職理由⑧ 「学びながら成長したい」

(例)
「色々なことを学んで、成長したいと思っています」

一見、熱意があるように見えるのですが、
何を学び、どんなふうになりたいのか明確な動機がないと漠然としてしまい、
自社で活躍してくれるイメージが沸きにくくなります。

新卒や未経験の人なら好意的に受け取ってもらえることもあるのですが、
中途採用の人だと
「自己成長のために会社を利用しているのではないか?」
「成長するまで待ってほしいと思われている?」
など受け身の姿勢であるような印象を与えてしまうリスクもあります。

「学ぶ」「成長」と言う言葉は働く上で大切なことですが、
それだけでは面接官に響かないことも。

「経験が少なく未熟なことも多いですが、
働く機会を与えていただけたら御社に還元するために
多くのことを学び成長したい」
と言う意識を転職理由に繋げるとイメージUPできるでしょう。

介護職の転職理由のポイント

介護職の転職理由のポイント

介護業界の転職活動で最も大切なことは
「転職(退職)理由と志望動機に一貫性」を持たせることです。

無理に話をキレイにまとめたり繋ぎ合わせた内容は、
非常に不自然に聞こえるもので
「本当の理由は他にあるのではないか?」
「うわべだけの内容に聞こえる」と思われがちです。

介護業界の転職活動で上手くいかない人の多くが、
この一貫性の無さで採用に至らないことも実は少なくありません。

・どうして前職を退職して転職しようと思ったのか
・なぜこの会社に応募したのか
・応募先でどんなことをしたいのか

この3つの理由を明確に整理し、
しっかり筋道を立てることで「転職理由」が成り立ち、
面接官への説得力が強くなります。

まとめ

転職先では
「新しい会社では失敗したくない」
「良い環境で働きたい」と思う人がほとんどだと思いますが、
転職理由の際に避けられない退職理由は後ろ向きな人も多いですよね。

退職理由が良いことばかりではないことは面接官も理解していますが、
ネガティブな理由をそのまま伝えてしまうと必然的に
印象は悪くなってしまいます。

ネガティブなこともポジティブに変換し言い回しを変えるだけで
「どんなことがあっても前向きに頑張れる人」と評価され
採用の近道に繋がります。

この記事が、これから転職活動をしようと考えている方、
転職理由に悩んでいる方の参考になれば幸いです。

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